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60年の歴史 第5章

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第4節 次の100年に向けて

特化で見えてきたオンリーワンメーカーの道

現在当社は、トヨタ自動車や本田技研工業の中国向けの現地調達金型製造やそのメンテナンスを受注している。こうした動きのなかから、外注育成と予算システムの確立、東海地域における営業・製造拠点の設置、データベースの共有化に伴うネットワークづくり、中国子会社における生産管理の充実、日本本社の設備投資などに加え、中国でも営業・製造拠点の設置もにらみながら品質保証体制の構築、グループ内セキュリティー体制の構築を急いでいる。

シリンダーヘッドへの特化はどのような自動車会社とも取引が可能になることを意味する。浩史社長は、「工場のなかは見せない。あくまで当社の品質保証のなかで最適なコスト、品質でユーザーに供給する。ユーザーに飲み込まれて下請けになってしまえばそのようなことをする必要はないが、我々は独立した企業としてユーザーに対峙していきたいから、自分たちがしっかりしていることを見せなければならない。下請け的な存在ではなく、メーカー的な存在になることをめざしている。これは、シリンダーヘッドという中枢をやっているからメーカー志向でいけるわけで、それまでは雲の上の存在だった上流に近いところで仕事ができるようになった。5年前とは相手がまったく変わっている。これも、これまでの経営改革の成果であり、従業員の頑張りのおかげ」と、評価する。

2007年(平成19)、当社は創業61周年を迎えた。経営革新による本社工場の増改築も順調に進捗し、大連工場も本格稼働した。新しい年を迎え、浩史社長は次のような「事業計画のステップ」を掲げ、年頭の辞でそのめざすところを語った。

事業展開のステップ

  1.本社での高精度、無人化による金型製造技術の確立。

  2.日本本社と中国大連においての金型部品サプライチェーンの確立。

  3.東海製造拠点による営業力、製造力、顧客密着度の向上。

  4.東海製造拠点での金型技術・新製品開発。

  5.本社でのダイカスト事業の確立。

重点経営課題(3年後まで)

  1.東海製造拠点を中心とした営業・技術・メンテナンスのパイプづくり

  2.金型部品の量産体制づくり

  3.金型生産能力の拡大

  4.複数業務をこなすマルチ人材の育成

  5.松村精型(大連)有限公司での金型一貫生産の体制づくり

年頭の辞

創業61年目の節目の年を迎える今年は、亥の干支であります。亥は十二支の最後であり、陰と陽が逆転する最終局面です。この1年が終わると、また新しい12年が始まり、あらたな世界が始まります。つまり、この亥の年に、来年より始まる新しい世界の耀かしい未来に対する準備を終えなければなりません。この亥の年が、飛躍を約束された来年2008年を迎える準備のための力を蓄える年であることから、私なりに会社のありたい姿を思いつつ、三つの言葉にまとめてみました。

一つ目は、「一期一会」ということです。

この言葉は、今の自分の周りにいる人たちは、永遠の命のバトンタッチのなかで、このように同じ空間を共にしているのは、「縁」で結ばれた人たちであり、その出会いを大切にし、その空間を、一瞬一瞬を大切にしなければならないということです。会社での出会いは、会社に採用され、出社する毎日の自分の意思がなければできません。偶然同じ会社にいるわけではないのです。だから、この出会いを大切にしつつ、常に変化しつづける会社をとり囲む環境のなかで、二度と全く同じ状況にはならない仕事を遂行し、社会に貢献しているという誇りを持ち、その仕事の場を与えてくれる会社を愛し、同僚に出会えたことを感謝し、上司を尊敬する。そんな品格のある会社づくりをすすめていきましょう。

二つ目の言葉は「温故知新」です。

とかく我々人間は、同じことを行うことに慣れがあれば、ストレスを感じることが少ないため、繰り返しの行動を好みます。同じ時間に起き、同じ時間に食事をし、同じ時間に会社へ出社する。同じ人から指示を受け、同じ仕事をする。

一方では、同じことばかりを繰り返していると、ロボットとは違うと反発し、繰り返すことにストレスを感じる場合があります。このストレスは、変化へのあこがれであり、現状の否定です。我々は、自分が思い込んでいる能力に見合った自分だけの創造性(これはとりもなおさず変化です)を発揮したいと思っているのですが、自分に見合っていないと自分が思える変化には、それが自分の能力でなくとも充分にできるものは馬鹿にし、能力をはるかに超えると思うと、努力の前にあきらめて「こんなことできない」とふてくされてしまうことがありませんか?

我々は、いまの仕事が自分ひとりの力でできていると勘違いし、過去を振り返らず、いまの松村精型が一朝一夕でできたものと思っていないでしょうか?

いまの松村精型があるのは、過去の多くの人々の協力と過去の管理者たちや過去から現在までの多くの社員の力によって実現できています。

「温故知新」という諺どおり、過去起こった歴史や事実や実績を大切にし、それを分析し、そのなかから、新しい道や方法を見出し、上滑りではない、足が地に付いたしっかりとした実現性が高い、また継続性があることをしていきましょう。

三つ目の言葉は「MOVE ON」です。

自分の存在の価値や会社の存在価値は、自分やわが社だけではつくれません。

お客さまや周りの人たちが「あの会社ならば、あの人ならば、この仕事にうってつけ」という思いがなければ、仕事は生まれてこないし、会社も我々も社会での存在価値を失ってしまいます。またその存在価値は継続的なものであって、過去の実績にこだわっていて、昔はこうだったとえらそうに言っていると「過去の人」とそのうちに相手にされなくなります。

このようにお客さまや上司や同僚や部下からの期待や思いに応えつづけていくためには、仕事に対する好奇心に満ち、お客さまや社内の業務の流れのなかにあるニーズやウォンツに敏感であり、そのためには会社も自分を変えていく勇気を持ち、新しい会社や自分を創造できる活力を持ちつづけなければなりません。その気持ちをこめて、常に前向きで、自ら変革を進める「MOVE ON」という言葉を三つ目の言葉としてあげます。

いままでの三つの言葉を要約しますと、「一期一会」のように、偶然ではない「今しかないこと」を自覚し、現状がこれでよいのかと常に疑問を抱き、現状を否定し、「温故知新」が教えてくれるように、過去を分析し、継続的な自分の存在価値をつくり高めていくように、常に前向きで、自ら変革を進める「MOVE ON」を大切に、今年一年、約束された新しい世界が始まる2008年以降の将来に備えて、しっかりと準備していきましょう。

耀かしい未来にむけて、事故のない、あいさつと笑顔の絶えない明るく、働きやすい職場、存在価値の高い会社づくりをめざして、頑張っていきましょう。

会社は継続し、発展していかなければならないものであり、会社の発展なくして従業員の幸せもない。つまり、会社は従業員とその家族を幸せにするために発展しなければならない。そのためには、一人ひとりが、「一期一会」を大切にし、一瞬一瞬が「今しかないこと」を自覚し、より輝くために現状がこれでよいのかと常に疑問を抱き、現状を否定し、「温故知新」が教えてくれるように過去を分析し、継続的な自分の存在価値をつくり、高めていきながら変革し、「MOVE ON」常に前向きに歩んで「世界のオンリーワン会社」を共につくっていくのである。

5月28日には、ホンダエンジニアリングから「優秀感謝賞 設備部門」の感謝状を受賞し、当社の努力が高い評価を得ていることも実感できた。

半世紀を超え、次の100年までに当社は「二輪、四輪の製品製造に関わる卓越した鋳造用金型技術で世界のオンリーワン会社」をめざし、今後も全社一丸となって、よりいっそう顧客主義に徹し、国際性を身につけて、「MOVE ON その先の技術へ」と、常に技術力を進化させていく。

2007年度入社式

2007年度入社式

 

ホンダエンジニアリングからの感謝状

ホンダエンジニアリングからの感謝状

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