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60年の歴史 第5章

第4節 次の100年に向けて

精機工場の増築と本社の建設

全社一丸となった生産効率向上の推進と先を見越した設備投資、「二輪四輪の製品製造に関する鋳造用金型とその製品づくり」をベースにエンジン金型に的を絞り、国内自動車メーカーやそのサプライヤーの海外生産拡大のための金型増産に焦点をあわせた営業によって、2005年度(平成17)の売上高は約11億5000万円と、04年度の150%となって初めて10億円を超えた。ホンダトレーディング、ホンダエンジニアリング、大阪技研、杉山工業に加え、アイシン高丘、アイシン軽金属などの受注が伸びたのが大きな要因であり、製品もシリンダーヘッドやトランスミッションバルブとコンロッドなどが売り上げの多くを占めた。

これらのユーザーが進出しているアジアの自動車市場における四輪車の販売台数は2000年から05年におよそ倍増して1200万台、二輪車も5年間で1000万台増加して3500万台弱に達した。経済的な不安要素はあるものの、中期的には二輪車から四輪車へのシフト、中間層への普及など、アジアモータリゼーションの到来は目前に迫っており、高精度な金型生産拠点のないユーザーの海外工場へ部品単位で供給する必要も出てきて、今後も継続して受注増が見込まれるようになった。

しかし、05年以降の相次ぐ設備増強で工場棟が手狭になり、受注拡大やトヨタ自動車とともに研究している新鋳造技術などの将来的な業容の拡大を視野に入れると工場の拡張は避けられない状態だった。このため、生産能力の約30%増と、グローバル化に伴って高精度・短納期が求められる金型構成部品の加工精度向上を図るため、精機工場の拡張とともに恒温工場の新築を決めた。設計・監理は創建築事務所、施工は石黒建設が行った。

総投資額は4億円を見込んだが、当時、大連工場が竣工したばかりであり、設備投資もかさんでいた。このため、資本金を2億5000万円に増資(06年7月)した。

増築棟は鉄骨平屋建て2000m2。一部を3階建てとして計約3400m2に増床し、1階部分には恒温工場を設け、増築部1階を本社事務所、2階を設計部門、3階に社員食堂を設置した。これに伴って、恒温工場を第一工場、従来の精機工場を第二工場、組立工場を第三工場と改称した。大型ダイカスト金型の生産に対応できるよう工場全体の機能強化を図り、放電加工工場や検査場などの整備、金型素材を工作機まで搬出入する自動倉庫などを設置した。

左:第一恒温工場 右:第一会議室

第二工場

社員食堂

本社事務所は、事務系の集約とセキュリティーを徹底し、コンペティアである多くのユーザーが同時に来社しても機密が保持できる体制とした。中国子会社ともオンラインでつなぎ、社内の来客会議場も一目でわかる会議システムを構築した。

完成は、06年7月。瞬低補償装置を設置して夜間の停電による自動ラインの停止や損傷に備えるとともに、クマクラ工業株式会社(岐阜県御嵩町)と共同開発してきた金属切粉を自動的に吸引・収集する自動システムを設置し、高温蓄熱空調システムを導入し、ISO14000レベルのクリーン工場を実現した。

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