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60年の歴史 第5章

第3節 初の海外拠点、松村精型(大連)有限公司の建設

大連への進出がトヨタ自動車とのパイプをつなぐ

大連研修生1期・2期生の研修終了送別会

大連研修生1期・2期生の研修終了送別会

一方、大連松村設計設立直後の2003年(平成15)9月、トヨタ自動車が、中国の第一汽車集団公司(第一汽車)と合弁会社四川一汽トヨタ自動車有限公司を設立して長春工場(中国吉林省長春市)を建設することになり、さらには、ダイハツ工業が技術提供していた天津夏利を買収して(天津一汽トヨタ自動車有限公司)生産に乗り出し、広州汽車集団公司(広州汽車)との合弁会社設立の動きも本格化した。こうした動きのなかからトヨタ自動車は、天津工場(天津汽車合弁)、長春工場(第一汽車合弁)、広州工場(広州汽車合弁)に、当社の人材派遣を打診してきた。

当時、トヨタ自動車は、グローバル化などへの対応を契機に国内拠点における競争力の底上げ、生産性の大幅な向上などをめざした「モノづくり改革」の一環として生産ラインの「シンプルかつスリム」を切り口にした「SS(シンプル・スリム)化」などハード・ソフト面の改革を行っており、エンジン金型のSS化もテーマの一つであった。こうした状況を背景に、鋳造専門商社でトヨタ自動車とは長年取引のある草野産業が、トヨタ自動車が鋳造工程におけるSS化を推進するうえで必要と思われる機能を持った企業を集めてトヨタ自動車に共同開発を提案することを考えていた。その一環として同社は、低圧鋳造でのSS化を進めるため金型のことをよく知っていて鋳造トライもできるメーカーがないかを、かつて小松製作所氷見工場にいた山西氏に打診したところ、氏が当社を推挙。おかげで当社は、従来の杉山工業を経由するトヨタ自動車の仕事に加え、草野産業ともSS開発機や同機向けの低圧鋳造試作金型製作などでトヨタ自動車の仕事をすることになったのである。とはいえ、金型メーカーとして既存の一次下請けに次いで当社が新規にトヨタ自動車に認知・採用されるには、あまりにもハードルが高かった。このため当社は、トヨタ自動車からの将来的な設計業務や金型製作の受注に向けて、まずトヨタ自動車の中国の生産拠点からのルートを探っていくことにし、04年3月に大連松村設計から3人をトヨタ自動車へ研修に派遣してトヨタ自動車の中国の生産拠点への金型メンテナンス体制を徐々に整えていたのである。

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