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第2節 自動車産業へのシフト
自動車関連金型の拡大
自動車関連企業に積極的に働きかけた結果、当社は1984年(昭和59)6月1日に愛知県刈谷市に本社を置く杉山工業株式会社と「機械・設備・型取引基本契約」を締結した。
杉山工業は、各種金型および鋳造工程設備の設計、製作とメンテナンスサービス、自動車部品(カーエアコンなど)の設計・生産、航空機用部品の工程設計と生産を行うトヨタ自動車の一次下請け企業である。トヨタ自動車はじめ株式会社豊田自動織機製作所、三菱重工業株式会社などと取引がある。なかでもトヨタ自動車との取引は1926年(大正15)の豊田自動織機製作所との取引開始にさかのぼり、トヨタ自動車とも同社設立(1938年)以来という。まさにトヨタ自動車と共に歩んできた企業で、愛知県豊田市、田原町、名古屋市(笠寺)と北海道苫小牧に工場を有する。
工場内
当社と杉山工業の取引のきっかけは、高木製作所の笠島徳三郎氏の紹介だった。高木製作所は80年に原価低減と生産効率の向上を目的にトヨタ生産方式を本社工場に導入したが、その改善指導に同社が招いたのが、豊田自動織機製作所生産管理課長の笠島氏だった。豊田自動織機は新和工業とも強い結びつきがある。ここに、杉山工業が砂型鋳造の型屋をさがして訪れたのである。後に高木製作所の専務に就任する笠島氏の紹介で、当社は杉山工業との取引を開始するが、本格的な取引は当社のCAD/CAM導入がきっかけだった。
アイシングループの新和工業、トヨタ自動車の一次下請け杉山工業との取引開始は、その後、当社が本格的に自動車産業にシフトするエポックメーキングとなった。杉山工業と取引を開始した84年度(第19期)の総売上高は3億7082万円、前年比127%となって3億円を達成、85年度には4億円も超えた。この時期の当社の取引先は、小松製作所氷見工場、コマツキャストエンジニアリング株式会社、同氷見工場、新和工業、高木製作所、杉山工業、大木樹脂工業、協和製作所などであったが、以後、新和工業、杉山工業からの受注比率がしだいに高まっていった。
当社の業績推移(単位:千円)
1982年 | 1983年 | 1984年 | 1985年 | |
総売上高 | 253,600 | 292,140 | 370,820 | 405,300 |
対前年比 | 111% | 115% | 127% | 109% |